はじめに  〜KIDSの開発コンセプト〜

チェスや将棋などのゲームをプレーするプログラムは、今日、かなりの強くなっています。チェスにいたっては世界
チャンピオンをしのぐ強さとなっていますし、将棋の市販ソフトもアマチュアの高段者に匹敵する強さとなっています。

それらのゲームプログラムは主に、コンピュータの演算能力を生かして、膨大な探索を高速に行うことで強さ
を実現しています。つまり、人間の「先読み」を漏れなく超高速に行っているのだと言えます。

このようなプログラムは、「探索主導型システム」と呼ばれますが、一般に深くたくさん読めば、強くなることが
知られていて、探索技術の工夫やコンピュータの性能を向上することで、徐々に棋力は上がっていきます。
しかし、探索に頼っているこのシステムは、製作者の意図が介入しにくいといえます。「探索」の手法を改良して
強いプログラムを作ることは、やりがいもあることだと思うのですが、ゲームをプレイするAIを作ろう!と思って作り
始めると、自分の意図しないところで勝手に強くなっていくので、何か味気ないというか違うなぁという気持ちがして
きます。

それは、そのプログラムが何故その手を選んだのか、ということが開発者にわかりづらいからではないでしょうか?

それなら、逆に自分が教えた知識をダイレクトに反映してくれるシステムは作れないか?というのが、
本システム”KIDS”を作った動機です。要するに、人間の持っている「定跡」などの知識を直接覚えこませる事が
できればわかりやすいんじゃないの?
ということです。

もちろん「探索主導型システム」でも、その探索した先の盤面の評価にはさまざまな知識(静的評価関数と呼ばれる)
が使われています。でも、8手も9手も先でそんなものが使われていたところで、人間には容易には理解できません。
「探索」を使わずに「知識」のみでゲームをプレイするプログラムがあれば人間にもわかりやすいでしょう。

それがここで紹介する「KIDS for 5五将棋」です。
このシステムを使えば、特別なプログラミング能力を必要とせずに「知識」だけを使うゲームプレープログラムを作る
事が出来ます。このようなシステムを「知識主導型システム」と呼びます。

実際に、強い将棋プレーヤーは、先読み(探索)よりも知識を使って次の一手を決定しているということが、色々な認知
科学的研究
から明らかになってきてます。探索よりも知識のほうが人間の直観に近いのです!
是非使ってみてください!


…と、いかにも「知識」だけ使ったほうが楽しいよ!
みたいなことを書いてきましたが、実際には知識しか使っていないために、なかなか融通の利かないプログラムとなり
ます。意図しないところで知識が使われたり、簡単な3手詰みを見逃したりとハラハラ、ドキドキ、イライラ、、、ということに
なるかも知れません。

…正直な話、最初はなかなか強いプログラムが書けないかと思いますが、がんばって色々な知識を入れてみてください。
「無垢な子供に一つ一つ知識を教えてあげる」という感じで根気良く知識を教え込んでみてください。だんだんと自分
の思うような手を指してくれるようになっていきます。その過程を楽しんいただけたら幸いです。


いいのが出来たと思ったら、他の人にも教えてあげて、友達同士で知識ファイル同士を戦わせてみると楽しいです。

自分なりの最強の知識ファイルを作って、是非、11月のKIDS部門の大会にエントリーしましょう!

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