| 知識の解説と設定例 |
駒の価値
一つ一つの駒に対し、盤上での価値と持ち駒時の価値を設定できます。
この2つの数値の合計が高ければ高いほどこの駒を重要視すます。
駒の価値が高く設定されると、その駒を相手が持っていれば取りにいきやすくなり、自分の駒なら大切に扱うようになります。
なお、盤上時の価値>持ち駒時の価値のとき、価値の差が大きいほどその駒を取った時に盤上に打ちやすくなります。
逆に持ち駒時の価値>盤上時の価値なら、その駒を持ち駒として温存しやすくなります。
なお、成り駒に関しては持ち駒時の価値は自動的に成る前の駒のものが使われます。
(例えば、と金の持ち駒時の価値は歩と同じになります)
設定例
| 飛車 | 龍王 | 角行 | 龍馬 | 金将 | 銀将 | 成銀 | 歩兵 | と金 | |
| 盤上 | 270点 | 500点 | 200点 | 400点 | 150点 | 100点 | 150点 | 30点 | 150点 |
| 持ち駒 | 150点 | (150点) | 100点 | (100点) | 300点 | 70点 | (70点) | 50点 | (50点) |
設定の一例を紹介します。
このように設定すると、王様を抜かすとどの駒を一番大事に扱うようになるでしょうか?
答えは、「盤上」と「持ち駒」の価値の合計が一番大きい龍王となります。次いで龍馬、金将となります。
龍王や龍馬は移動できる範囲が全駒で一番大きいので、価値を高く設定することが多くなるでしょう。
では、これらの駒を持ち駒として持っていた場合、一番投入されやすいのはどれでしょうか?
答えは 「盤上」−「持ち駒」の値が最も大きい飛車となります。(龍王・龍馬は持ち駒には持つ事がないので除外されます)
逆に「盤上」−「持ち駒」の値が最も小さい金将は、持ち駒として温存されやすくなります。
金将は持ち駒として持っていると、最後の詰めの段階で大きな活躍をしてくれる事が多いので、このような設定も有効になるでしょう。
(もちろん、逆にどんどん投入したほうがよいこともあるかもしれません。)
駒の絶対位置関係の知識
ある一つの駒が盤上のどこにあればいいかを表わした知識。
自分にも相手にも適用されます。
設定例

図の例では、3四の位置か4四の位置か4五の位置に金があればよいと設定しています。
その中でもとくに4五の位置に金がいればいい、となっています。
駒の相対位置関係の知識
二つ以上の駒の位置関係を表わした知識です。
陣形などの記述ができます。自分にも相手にも適用されます。
守り以外にも、攻める際に相手の王に対してどのような位置に大駒を打てばいいかなども記述してもよいでしょう。
設定例

図の例では、王・金・銀・歩の4つの駒を使った位置関係を、30点という点数と「基本陣」という名前を与えて登録した所です。
5五将棋では、王の初期位置は盤の端であるため、銀を一回動かすだけでこの「基本陣」を作る事ができます。
この陣形は、王の周囲を完全に固めているために相手に攻められにくいという利点があります。
その反面、王が他の場所へ移動する事ができないため、王を逃がすという選択肢が無くなってしまう陣形でもあります。
駒の相対位置関係に対する動きの知識
ある特定の位置関係の駒に対し、指すべき手を表わした知識。
自分のみに適用されます。
相手の陣形を切り崩す方法などを記述できます。
1手詰めのときはコンピュータが勝手に詰めてくれるので、その前の状況を記述するといいかもしれません。
設定例

図では、「5つの駒がこのような位置関係にあるとき、角で金をとりにいく手」に対し、
50点の評価と「王の隣の金を取れ」という名前を与えて登録している場面です。
相手の王・金・歩は初期配置の時点ですでに図のような位置関係にあるため、このような局面に遭遇することはそれなりにあり得ると想像できます。
そのときに角で金を取りにいく手は有効そうだと判断したら、このように登録すると良いでしょう。
実際にこの状況で角が金を取って馬に成った場合、王は前に出て逃げる事ができないため、
王かもしくはここに載っていない別の駒で馬を取るしかありません。
このように、相手の手を制限することができれば、その後の展開も有利に進めていけるでしょう。
(もっとも、角と金の駒の価値を設定する際に角の方をかなり高く取っていたとしたら、
コンピュータは角で攻めるのは損だ、と判断する可能性もあります。何事も兼ね合いです。)
知識を設定する際のヒント
1.コンピュータは、自分が大事にしている駒を相手にさらすことを嫌います。
価値を高く設定した駒は、自分の他の駒の移動範囲内に入っておらず、さらに相手に取られる恐れがある場所には置かれなくなります。
飛車の価値をちゃんと高くしてあげれば、1番最初に飛車が勝手に相手の歩を取りにいくようなことはおこりません。
2.1手詰めの局面ではコンピュータが勝手に詰めてくれます。また、1手詰めされる局面を避けます。
最後の1手をたくさん入力しておかなければ勝てない、ということはありません。
むしろ、1手詰めの局面へと持っていくことが肝心です。
加えてコンピュータは1手詰めされる局面を避けようとするため、「相手が、1手詰めされる手を指さざるを得ない状況」を作ることが大切になります。
攻撃用の知識をたくさん入れておかないと、なかなか相手を詰んでくれません。
3.極端な設定は他の知識を殺します。
たとえば、上で説明した「基本陣」に500点もの点数を与えたとします。
すると、基本陣を構成している駒はたとえ近くにタダで取れる駒があったとしても取りに行かなくなるでしょう。
また、攻めている最中にせっかく手に入れた金や銀を、攻撃を中断して基本陣を構成するために使ってしまったりします。
せっかく設定した(とする)他の攻撃の知識もこれでは日の目が見られません。
何事もほどほどが肝心ということですね。